伊那市荒井の通り町商店街に「本と駄菓子と、、、それぞれ」が3日、本格的にオープンした。誰でも本を貸したり売ったりできる「ひとはこ本棚」、フリースペースなどを備える駄菓子屋。通りの向かいにあるオーガニック生活雑貨店「ワイルドツリー」(代表・平賀裕子さん)が運営する。平賀さん(60)は「それぞれがそれぞれのままでいながら、それでもどこか緩やかにつながれる場になれば」と願っている。
■子どもが喜ぶ場 平賀さんが開店
もともと多世代の居場所としての駄菓子屋や子どもが喜ぶ場をつくりたい-との思いを持っていた平賀さん。雑貨店を営む中で、同市に移住する子ども連れの家族が増えたことを実感するとともに、母親たちとの会話を通じて「いろいろな切り口の居場所があってもいい」と考えるようになった。そんな折、向かいの物件で元紙屋の「紙庄」を借りてほしいとの話を受けた。小上がりのある店内に引かれ、開店に至ったという。
コンセプトは「それぞれの好きがあるところ」。店名の「、、、」は「いろいろな人、モノ、コトが集まる場」を表現している。「子どもも大人も、それぞれが好きなことをただ表現したり没頭したり…自分の好きと一緒にいる感覚を実感してもらえれば」(平賀さん)と願いを込める。
■「ひとはこ本棚」本を介した交流
ワイルドツリーのスタッフが中心となってリノベーション。築約75年の建物は木造3階建てで、約50平方メートルの1階は店舗とフリースペース、キッチンがある。2階、2・5階は貸し部屋と物置で、3階は上伊那農業高校(南箕輪村)の生徒が授業の一環で改修する予定という。入り口では、市内在住のギター製作家、内田光広さんが手掛けた看板が人々を温かく迎えている。
「ひとはこ本棚」は今後、徐々に展開。一般社団法人まちライブラリー(大阪市)が提唱する「まちライブラリー」の仕組みを利用する。本棚の「オーナー」(有料)になると、本を貸したり売ったりできて、読んだ人が感想を書くなどして本を介した交流が生まれるという想定。おやつ作りなどさまざまなイベントも行う予定で、本棚のオーナー、「おやつサポーター」ともに募集している。
■おやつ作りなどイベントも予定
開店日は平日の午後1~5時。曜日ごとにワイルドツリーのスタッフ、市内の菓子製造者、ボランティア「お店番サポーター」が店番を交代しており、店番の個性によって店内の雰囲気が変わるのも特徴だ。現在、金曜日の店番を募っている。学生や商いを始めたい人も可。店番の日は自身の店を開くこともできる。
8日午前11時~午後4時には、「ひとはこ本棚」で使用する地元産のアカマツを材料にした本箱作りを予定していて、こちらも参加者を募集中。予約不要。
問い合わせはワイルドツリー(電話0265・96・0438)へ。
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