夏山シーズンの到来を告げる恒例の八ケ岳開山祭(ちの観光まちづくり推進機構、八ケ岳観光協会、茅野山岳会主催)が2日、南八ケ岳と北八ケ岳の2会場で開かれた。70回の節目を迎えたシーズンの幕開け。あいにくの天候となったものの、両会場で神事を執り行い、シーズン中の登山者の安全を祈願した。記念の「限定特別御朱印」や、会場ごとにデザインが異なるピンバッジの頒布もあり、70周年の節目を祝った。
南八ケ岳では、天候不良の予報を受け、一般登山客の安全確保のため、会場を例年の赤岳山頂から行者小屋(標高2340メートル)へ変更。北八ケ岳では、「より多くの人に気軽に参加してほしい」といった思いから、初の試みとして、会場を北横岳山頂から北八ケ岳ロープウェイ山頂駅前広場に移した。
行者小屋では、赤嶽山(あかだけやま)神社の西濱多恵子宮司が祝詞を奏上。同神社総代会、山岳会、観光関係者、登山愛好家など約70人が参列し、神前に玉串をささげ、拝礼するなどして登山の安全を祈願した。また、遭難事故の犠牲者に黙とうと花をささげ、一同で「雪山讃歌」を歌って冥福を祈った。
登山者を代表して玉串をささげた高橋千恵子さん=栃木県=は今年、数え年で70歳になるといい、「開山祭とは同級生」と笑顔。「八ケ岳は木々や岩場が美しく、どこを見渡しても同じ景色がないところがすてき。40年以上お世話になっている山に感謝の気持ちを込めてささげたい」と思いを語った。
赤岳天望荘や八ケ岳山荘などの山小屋を経営する藤森周二社長はあいさつで「この美しい八ケ岳の自然を維持し、より多くの人が登山の楽しさと自然の素晴らしさを満喫をできるよう、これからもご理解、ご協力をお願いしたい」などと参列者に呼び掛けていた。
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