駒ケ根市中沢の写真家、下宮伸一さん（51）が、国際的なフォトコンテスト「コスモスアワード」で部門別の年間優勝を果たした。全ジャンルの作品で競う全米プロ写真家協会（ＰＰＡ）のコンテストでも上位４作品に選出された。ともに初めての受賞。写真を合成、加工せずに”一発勝負”で撮った作品で「その価値を認めてもらえてうれしい」と喜んでいる。

年間優勝したのは、コスモスアワードの「ウェディング前撮り部門」。年３回あるコンテストの各１位の作品から最優秀作に選ばれた。作品は同市駒ケ根高原の国指定重要文化財「旧竹村家住宅」でたたずむ結婚を控えたカップルを撮影。穏やかな空気感が伝わり、審査した著名な写真家たちから高い評価を受けた。

一方、ＰＰＡは世界中に数万人の会員がいる写真家団体で、ジャンルを問わないコンテストでの「トップ４入り」は快挙。その秀作では、紋付き袴と白無垢姿のカップルを飯島町歴史民俗資料館「飯島陣屋」のいろりを前にフレームに収めた。愛情を奥ゆかしく表現する日本人らしい夫婦像を伝える。

両コンテストの出品作は合成、加工した写真が主流となる中、下宮さんは高い技術で撮ったありのままの作品作りを続ける。「今後も写真の本来の形を崩さず、その魅力を伝えたい」とし、自宅で営む写真館を通じて一流の技術を提供しながら「お客さんの思い出を加工することなく表現して感動してもらうことができれば」と話している。