アルピニストの長谷川恒男さん(1947~1991年)の遺品や写真パネルなどを展示する八ケ岳連峰登山口「美濃戸口」近くの長谷川恒男記念庫(茅野市)が4日、開設から10年目となる今季の公開を始めた。長谷川さんが生前に利用した登山装備や遭難死した雪崩後に回収された遺品、凛とした空気が伝わる雪山の写真などが飾られている。10月27日までの週末に公開する。
長谷川さんは民間企業を経て日本アルパインガイド協会公認のガイドを務め、1973年にエベレスト登山隊の一員として初めて海外遠征に参加した後、活動の幅を広げた。77~79年にヨーロッパアルプス3大北壁(マッターホルン、アイガー、グランドジョラス)を冬季に単独でよじ登り、すべて成功した。90年にパキスタン北部のフンザにあるウルタル2峰(7388メートル)に挑み、翌年の再挑戦で帰らぬ人となった。
記念庫は妻の昌美さん(70)=東京都渋谷区=が、長谷川さんにとって初の冬山となった八ケ岳連峰の麓で夫の軌跡を後世に伝えようと2015年に開設。自宅や事務所に残った遺品のほか、自治体に寄贈した装備品の一部も収蔵先の博物館などから借りて展示している。
1978年のアイガー北壁冬季単独登攀(とうはん)に使用した特注の二重靴は厳しい環境に挑むための工夫が見られる。雪崩後に見つかったひしゃげたアイゼンなどの登山装備からは自然の力のすさまじさが伝わる。長谷川さんが自ら設計したピッケルも展示している。
昌美さんは「夫は毎年のように世界の山々に挑戦したが、1年の多くはガイドとして登山客を案内した。八ケ岳はよく訪れた仕事場の一つで多くの仲間がおり、本人にとって居心地のいい場所だったと思う」と話した。
同施設は入場無料だが、事前予約が必要。予約は武藤さん(電話090・7180・4103)へ。
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