中央アルプス千畳敷(標高2612メートル)で1日、雪中熟成茶「駒結」の掘り出し作業が行われた。登山客や観光客を呼び込んで中心市街地の再生を図る駒ケ根市のプロジェクト「こまがねテラス」の一環で開発した商品で、販売は7年目。茶葉は6月下旬から同市中央の日本茶販売店「山二園」や中央アルプス観光の関係施設で販売する。
「駒結」は中アの代表的な雪形「島田娘」にちなんで、島田まげの発祥の地である静岡県島田市産の島田茶(深蒸し茶、品種・やぶきた)を使い、飯田市南信濃産の茶葉(普通蒸し、品種・やぶきた)をブレンドした日本茶。2月2日に関係者が雪の中に埋め、約3カ月かけて熟成させた。今年は島田市産の新品種「つゆひかり」と飯田市産の茶をブレンドした試験品も少量用意し、「駒結」と一緒に貯蔵した。
この日は断続的に雨やみぞれが降るあいにくの空模様で、温度も9度と肌寒い天候。関係者ら4人が駒ケ岳神社前の残雪をスコップで代わる代わるに掘り、深さ約2メートルの雪の下から茶葉計14キロが入ったコンテナを運び出した。
温度の安定した雪中で貯蔵することでゆっくり茶の熟成が進み、深みのある香りが際立つとともに、まろやかな味わいになるという。「駒結」を試飲した山二園の酒井隆道社長(66)は「まろやかでおいしい。とてもよい茶に仕上がった」と太鼓判。今年も40グラム入りパック(税込み864円)とティーバッグ2個セット(同324円)の2種類を販売する予定だ。一方、試験品についても「こくがあってうまみも深い」と仕上がりに満足げ。新しい「つゆひかり」ブレンドとして、「駒結」と同じ価格での販売を検討している。
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