物を捨てきれない性分だ。昔の書類を整理していたら学生時代に教授から届いた1枚のはがきが出てきた。文章はわずか4行で空白ばかり目立つ。「前略 連絡したいことがありますので、できるだけ早く電話を下さるようお願いします。草々」▼40年前を思い出す。住んでいた下宿は部屋に固定電話を設置するのが認められなかった。こちらからの連絡手段は、もっぱら公衆電話。通話料金は10円で3分。長電話になりそうだとポケットに10円玉をたくさん詰め込んで受話器を握った。もっと話していたい場面でプツリと切れた、ほろ苦い思い出もある▼誰もが携帯電話を持つような時代が来るとは夢にも思わなかった。携帯電話の普及に伴い、公衆電話を見かけなくなった。総務省によると、全国の設置台数は年々減少し、約14.6万台(2020年3月末)。利用者が減っていては仕方がない面もあるけれど、災害時は心強い存在でもある。優先電話として、つながりやすい▼ダイヤル、受話器、電話ボックス、テレホンカード。若い世代には死語かもしれない。公衆電話を使ったことがない人が増え、子供向けに使い方の講習会も開かれているようだ。身近な設置場所を確認しながら使い方を教えるのもいい▼台数が少ないと万一の際の効果は限られる。でも、なくしていいものでもない。自然災害が相次ぐ。安全・安心への備えはいくらあってもいい。
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