「お元気ですか」と一言添えて。何年か前から年賀状を再び出すようになった。子どもの頃は友だちに出すのがうれしかった。そのうち面倒になってきて、もらうばかりになった。それも年々枚数が減っていき、ほとんど来なくなった▼また出し始めたきっかけは、一年間のお世話になった気持ちを届けたいと思ったから。人に感謝できる自分に少しだけなったのだろうか。再び出し始めた時にはパーティーの招待状のように、あの人に出すならこの人にも、また、しばらく会えていない人にもと枚数が増えていったが、今では落ち着いた人数になった▼パソコンのおかげで子どもの頃より作るのは楽になった。そのまま使えるデザインもいっぱいあり、簡単にできてしまう。宛名ソフトを利用してプリンターで印刷すれば、そこそこの枚数でも思ったよりも早く完成する▼できた年賀状には手書きの文字を入れるようにしている。印刷された宛名を見ながら、思わぬところで会えたなあとか、昔こんなことがあったなあとか、そんなことを思いながら言葉を考える。この相手のことを思い考える時間が好きになってきた。一年間会えなかった人とでも一年に一度、心の中で会って話をする。人のことを思うというのは人間として素直な生き方なのだろうか。心地よさを感じる▼年賀状住所録に新たに２人が仲間入りした。思う人が増えたことがうれしくなった。