伊那マジッククラブ会員でボランティアでマジック(手品)の公演活動を行っている伊那市東春近の伊藤権司さん(82)が10日、公演1000回を迎えた。1990年から始めて35年。声が掛かると市内外問わず出向き、多くの人たちを楽しませてきた。コロナ禍を乗り越えての大台達成。伊藤さんは「達者でいる限り続けていきたい」と気持ちを新たにしている。
伊藤さんは90年2月、当時活動していたロータリークラブの仲間に誘われて伊那マジッククラブに入会。以来、マジックの魅力とステージの楽しさにひかれ、公演活動を続けてきた。市ボランティア・地域活動応援センターにも登録。出演依頼は地区の敬老会や茶話会、福祉施設など高齢者の集まりが多いが、評判が広まり、市内だけでなく、市外からも声が掛かる。
公演での内容はすべて大学ノートに記録。「リピーターが多い」ため、次に呼ばれたときに同じ内容にならないよう工夫しているという。「これだけ長くやっていると、次は何をやるかいつも考えている」とやりがいを語る。
以前から「1000回までは頑張る」と意気込みを示していた伊藤さん。しかし、950回を超えたところで新型コロナが拡大。足踏みを余儀なくされた。それでもコロナが落ち着いてくると活動を再開。気持ちを切り替えて目標達成を目指してきた。
1000回目の公演となったのは、同市西春近小出三区のお楽しみ茶話会。会場となった深妙寺には約30人が集まり、伊藤さんのマジックショーを楽しんだ。
「タネも仕掛けもあります」。軽妙な語りで笑わせながら、びりびりに破いた新聞を広げると元通りになっていたり、麺のように細長く破ったティッシュペーパーをどんぶりに入れて熱湯を注ぐとうどんに変わったりするマジックを披露。参加者からはマジックが成功するたびに「オー」と歓声が上がった。
最後は「世界に一つだけの花」の歌に乗せ、花を使ったマジックで締めくくった。ファン有志から1000回記念の花束贈呈もあり、改めて大きな拍手が送られた。伊藤さんは「喜んでもらえてよかった。よい節目になった」と笑顔を見せ、「達者でいる限り、呼ばれれば続けていきたい」と話していた。
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