原村払沢にブルーベリー観光農園「原村の山麓ブルーベリー農園」が20日、オープンする。横浜市から新規就農した清水裕介さん(69)=払沢=が、耕作放棄地を自身で開拓するなど3年ほどかけて準備してきた。妻の安子さん(65)とともに、八ケ岳の山々が望める場所で、約40種類の摘み取りが楽しめる観光農園を開業する。
医薬品製造メーカー勤務を経て64歳で退職した清水さんは、第2の人生を考えた際に、これまで取り組んできた職種とは全く違ったことをしたいと、未経験の農業に挑戦することを決意。収穫までの期間が短く、家庭菜園で育てた経験があったブルーベリーを栽培することにした。
退職後すぐに、日本ブルーベリー協会理事の小尾能敏さんに師事し、栽培方法などを一から学んだ。同時に農地を探しており、同村が企画した移住イベントに参加。標高の高い寒冷地でブルーベリーの栽培に適した気候であるとともに、自然の豊かさや八ケ岳に引かれ、2020年秋に単身で移住した。交通の便が良く、景観が良い場所を条件に農地を選んだ。
ただ、延べ115アールほどある農地は耕作放棄地で、背丈ほどのアシやイバラ、クリやクルミの木が一面に。清水さんは木の伐採や伐根など1年がかりで開拓し、整備した。
ブルーベリーの育苗は22年から自宅裏の畑で開始。寒冷地に合うという北部ハイブッシュ系を中心に栽培しており、「チャンドラー」や「ハナンズチョイス」など甘くて大粒の品種が多い。
農園は早生、中生、晩生の品種で3区画に分かれ、約40品種が植樹されたポットがずらりと並ぶ。その時食べ頃のブルーベリーを提供する。駐車場スペースや男女別のトイレも完備したほか、摘み取り場にはシートを敷き、車いすでも入れるように整備した。
将来的には8区画まで増やし、より多くの品種を楽しめるよう計画している。「おいしいブルーベリーを提供する自信がある。多くの人に足を運んでもらえる観光農園にして、村の活性にも貢献できれば」と裕介さん。「ブルーベリーが村の一つのブランドとなり、農園も増えていったら」と夢を語った。
摘み取りの開始は6月末~7月になる見込み。営業は午前8時~午後5時。完全予約制で、120分食べ放題。料金は中学生以上2000円、小学生1000円、小学生未満無料。オープニング記念として、今年は村内の住民は半額。予約はホームページから。
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