諏訪市博物館(同市中洲)は、ミニギャラリー展「中央道発掘から半世紀」を同館2階常設展示室2の一角で行っている。1973年から75年にかけて、中央自動車道建設に先立つ遺跡発掘調査(中央道発掘)が同市内で行われ、多くの遺物が見つかった。このうちの出土品約40点と現場写真を展示し、貴重な数々の遺物が発見された中央道発掘を振り返る。7月15日まで。
発掘が行われたのは、現在中央道が通る同市湖南から豊田までの西山地域。発掘初期には、同市出身の考古学者、藤森栄一(1911~73年)も参加した。2年余りの発掘で、15遺跡から約800箱分の遺物が出土し、一部は県宝や市有形文化財に指定された。
このうち、湖南大熊にある縄文時代の遺跡「荒神山遺跡」からは、藤森が亡くなった翌年(74年)、栽培種の可能性がある炭化種子が発見され、藤森が提唱した縄文時代中期から農耕が行われたとする「縄文農耕論」の可能性を示した。
今回は、荒神山遺跡の出土品を中心に展示。荒神山遺跡から出土した炭化種子や県宝指定の深鉢型土器などの遺物が並ぶ。また、発掘の経緯をまとめた年表や、発掘現場での藤森を収めた写真も飾った。同館学芸員は「展示はごく一部ですが貴重なものばかり。ぜひ多くの人に見てもらいたい」と呼び掛けている。
同館は関連イベントとして、9日午後1時30分から、第38回「すわ大昔フォーラム」(大昔調査会共催)を開催。中央道発掘に参加し、炭化種子を発見した岡田正彦さん=飯田市=を招く。
開館時間は午前9時~午後5時。月曜休館(7月15日は開館)。入館料は一般310円、小中学生150円。問い合わせは同館(電話0266・52・7080)へ。
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