諏訪地方6市町村の教育委員会や小中学校、子ども関係部局、フリースクールなどの民間支援団体が連携し、不登校の児童生徒と保護者に必要な情報を提供する冊子「学びの支援サポートブック」(仮称)を作成する。圏域内にある学校以外の学びの場や居場所、市町村ごとの相談窓口や支援策を紹介。11月頃の発行を予定している。「不登校は誰にでも起こり得ること」とし、一人ひとりの不安や悩みに寄り添う冊子を目指して意見交換を始めた。
不登校の児童生徒一人ひとりに寄り添う官民の連携体制を目指し、諏訪市教委が昨年度から開く支援関係者の懇談会がきっかけ。参加者から東京都小金井市の不登校支援冊子が紹介され、市でも発行できないかと提案があった。茅野市でも検討の動きが出ていたことから、他市町村にも打診。官民の連携体・諏訪地区学びの支援ネットワーク(仮称)が作成者となり、統一様式で作ることでまとまった。
一般的な不登校児童生徒の心身の変調、学校の支援体制や自治体の相談窓口、学びの居場所を紹介し、一人で抱え込まず相談を呼び掛ける。気持ちを少しでも楽にしたり不安を和らげたりするメッセージも掲載する考え。支援制度など一部は市町村ごと内容を変える。二次元コードで民間団体や居場所のより詳細な情報を得られるようにもする。
諏訪市役所で21日に開いた懇談会で、冊子の内容や構成の検討を始めた。グループ討議では「温かさが伝わる内容にしたい」「最終的には保護者用と子ども用の2種類ができればいい」「当事者や親の会の声を反映できたら」との意見が出た。同様の懇談会は29日に茅野市でも開き、来月には6市町村の担当者会議で内容を検討する。
教育機会確保法では不登校児童生徒や保護者に対する必要な情報の提供、助言、支援が求められている。諏訪市の三輪晋一教育長は「自分が住む地域は当然あるが、子どもにとって市町村の壁はそれほど関係ない。諏訪地区全域で取り組むことが必要だと感じた」とし、「教育委員会や学校関係者、民間支援団体などが支援の方向性を共有しながら進める一助にもなれば」と話している。
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