諏訪市文化センターの大規模改修に向け、市が取り外し後の保存活用の方向性を早いうちに固めるとした緞帳=4日撮影

諏訪市文化センター改修 補正予算案を提出へ

2024/05/21 06:00
行政・政治

諏訪市は、市文化センターの大規模改修に向けた実施設計に関わる補正予算案を市議会6月定例会に提出する方針を固め、20日の議会全員協議会に報告した。基本設計業務を3月末に終え、4月に市民報告会を実施。課題は残しつつも、広域避難所としての機能強化や利便性、快適性を高めるといった改修内容は「おおむね理解いただいた」と次段階に進む理由を述べた。課題の一つとしたステージへの反響板に関しては、音響調査で設置効果を検証する意向を明らかにした。

 

市民報告会などで出た意見を基に、市が課題(引き続き検討する事項)として整理したのは、39億4千万円とした事業費や改修後の維持費、反響板設置など。維持費の試算については「現時点では難しい」としつつ、引き続き検討すると説明。音響調査は専門業者に委託し、その結果から費用対効果を見極めて判断するとした。

 

日本画家の東山魁夷と杉山寧による緞帳は劣化が激しくオペラカーテンに切り替える方針だが、取り外した後の保存活用は引き続き検討し、今年度中の早い段階で方針を固めたいと報告。データによる記録保存も「緞帳を継承する方法の一つ」とした。改修後の管理運営やソフト事業を話し合う検討組織には、公募市民や高校生にも参画してもらい、実施設計に関連するハード面の意見も聴くとした。

 

市の細野浩一教育次長は全協で、音響調査や検討組織の立ち上げは「早急に行う」と説明。これらに関わる経費も補正予算案に盛り込む可能性を示唆した。「市民理解」に関しては「これまでも慎重に検討を積み重ね、説明会や報告会を行いながら基本設計を完了させた」とし、金子ゆかり市長も「引き続き丁寧に説明、報告を行いながら進めていく」と強調した。

 

市文化センター(国登録有形文化財)の大規模改修はJR上諏訪駅周辺の一体的整備事業の一つ。基本設計では集会室の増設や親子観劇室、リハーサル室、フリースペースの新設、耐震化や省エネ、バリアフリー化などを盛り込んだ。「市民への報告を終えてから」として、当初予算への実施設計委託費の計上は見送っていた。

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