諏訪市四賀出身の教育者、伊藤長七(1877~1930年)を研究する「諏訪寒水会」は8月6日、「伊藤長七フォーラムin諏訪」を同市の諏訪教育会館で開く。長七をテーマにした講談や詩吟、講演会などを計画。子どもの関心を優先した自由で伸びやかな「大正自由主義教育」を実践した長七を知る機会にする。
伊藤長七フォーラムは通算3回目。初回は2007年に県立歴史館(千曲市)で、第2回は19年に東洋大学(東京)で開かれた。今回は諏訪寒水会発足5周年記念として初めて諏訪で企画。以前から出身地の諏訪で開いてほしいとの声が関係者の中から出ていたという。
フォーラムは午後1時から。2部構成で、1部は講談師の田辺鶴遊さんが「伊藤長七物語」と題して講談を披露する。諏訪岳風会も長七に関する詩吟を発表する。
2部は諏訪寒水会の河西敏夫副会長が長七の代表的な著書「現代教育観」を紹介する。長七の孫の伊藤ひろ子さんが長七の手紙などを解説。東京都小石川中等教育学校の元校長、栗原卯田子さんが「子どもたちの未来と学びの創造~伊藤長七の思想と学校づくり~」と題して講演する。
長七は小中連携、早期の英語教育、女子教育の推進などを主張し、軍国主義教育の反対も訴えた。東京府立第五中学校(現小石川中等教育学校)の初代校長。村岡花子や柳原白蓮、木村岳風らを教え、夏目漱石や岩波茂雄、後藤新平ら幅広い人物と親交があった。諏訪寒水会は長七を研究している東京寒水会から、出身地の諏訪地方に支部設立を求める声を受けて19年に発足。隔月で勉強会を開いている。
16日夜の勉強会でフォーラムの概要が報告された。諏訪寒水会の渡邉文雄会長は「長七は幅広い人脈を通していろんなことを吸収した偉大な人物。多様性が求められる時代に教育面だけでなく生き方についても学ぶ意義があるのでは」と話している。
参加費1000円。定員は先着100人。申し込みが必要。申し込みは渡邉会長(電話090・5542・5242)へ。
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