諏訪市は16日、来年3月末で廃止する市公設地方卸売市場(湖南)から引き継ぎ、4月から民間主体で運営する新市場の運営組織案を、同市場管理事務所で開いた検討委員会で示した。既存の運営協議会を母体とした「諏訪市場運営委員会」(仮称)を意思決定機関とし、市場全体の運営や共用部分の管理、市との連絡調整を行う幹事会社を置くことを提案。今後、個別協議を重ねて11月に開く会議で運営体制を決める考えだ。
幹事会社は卸売業者のいずれかに担ってもらうことを想定する。土地所有者の市は運営委から外れるが、オブザーバーとして関わる方針。管理事務所は3月末をもって閉鎖するが、市経済部に新市場の担当窓口を置くとした。検討委の委員長を務める後藤慎二副市長は「全てから手を引くことではなく、しっかり対応する」と語った。
市側は検討委で、移行に当たり専門部会ごとに整理した事項を報告。市と関連業者の間では、改修や修繕は施設を使用する関連業者が行うことを基本とし、大規模修繕が必要となった場合は費用負担を含め双方で協議を行うと、現時点での申し合わせ事項を説明した。
当面は現在の施設と規模で運営する。市は、市場法の縛りが外れることで独自の事業展開が可能になり、買受人の立場や権利を守った上での催しなどでにぎわい創出も期待できると説明。耐震化やBCP(事業継続計画)に関する質問に、副市長は「問題意識は強く持っている。移行後の市場の状況も踏まえ、将来を見据えた上での判断が必要と考えている」と述べた。
同市場を巡っては一昨年11月、開設者の市が公設廃止の方針を発表。取扱高の減少や施設運営の費用対効果などが主な理由で、食の供給機能を継承する民間主体の仕組みを2年間で構築するとした。市は運営体制の決定を経て、公設市場を廃止する条例案と新市場に関わる条例案を市議会12月定例会に提出する方針。
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