所有するボードゲームを前にプレーの魅力を語る大石さん家族=富士見町内

富士見の大石さん夫妻 ボードゲーム普及に力

2024/05/11 06:01
文化

富士見町在住の大石允耶さん(36)と翔子さん(35)夫妻は、子どもの思考力や創造性などの知的能力をはじめ、情操やコミュニケーション能力を育むツールとしても注目される「ボードゲーム」の普及に力を入れている。世代を超えて楽しめるゲーム会を主催し、住民同士の交流にもゲームを役立てている。夫妻は「ボードゲームの魅力を、さらに多くの人に伝えたい」とし、現在ゲームを気軽に楽しめる会場を探している。

 

◆勝敗を好まない人向けゲームも◆

 

ボードゲームは、囲碁や将棋、オセロ、すごろく、人生ゲーム、バックギャモンなど盤上ゲームの総称。このほか国内外の玩具メーカーが九九や計算、配列などを楽しむ数多くのゲームを販売する。

 

中には九州地方の材木会社が、林業振興を目的に植林から出荷までの内容を知ってもらうために作ったゲームも。勝敗を好まない人向けには、意見を聞いたり、話し合ったりするゲームもあるという。

 

◆人と接すること抵抗がなくなり◆

 

大石さん夫妻は共に静岡県出身。以前は名古屋市を拠点にしていたが、子育てに適した環境を探し求め、昨年3月に長男(8)と富士見町へ移住した。ウェブメディアの運営や広告デザインを手掛ける企業を営んでいる。

 

允耶さんは長男誕生を機にボードゲームの収集を開始。今では約300種類のゲームを所有する。長男が2~3歳から知育を目的に家族でゲームを始めた。外出ができなくなったコロナ禍の時は家族のゲーム熱が高まり、今も長男の就寝前など「20~30分の時間があれば、一家でゲームを楽しむ」という。

 

長男は人見知りをせず誰とでも仲良くなれる性格。「家族だけでなく、いろんな人とゲームをすることで人と接することに抵抗がなくなっているのでは」と允耶さん。ゲームでは大人と子どもが対等な関係で、大人が勝負に負けることもあり、子が親と遊べる楽しさや「勝ってうれしい」という感覚を味わうなど、家族の絆を深める効用もある。

 

◆会場少なく悩み施設提供求める◆

 

大石さん夫妻は同町に移住後、町内でゲーム会を開催。初めて顔を合わす住民同士もプレーを通じて「すぐに仲良くなれる」と好評だ。小中高生は土日曜日が部活や習い事で忙しいため、ゲーム会は金曜日に開くことが多く、保護者が食事の準備を気にしなくていいように飲食を伴うゲーム会にしているという。

 

夫妻は「ボードゲームに内在する数々の魅力を多くの皆さんと共有したい」と望む。允耶さんは「要望のあるご家庭を訪問し、ゲームの遊び方を教えることもできる」と話す。一方、現在の悩みは、気軽にゲーム会を開ける飲食店や施設などの会場が少ないこと。「協力していただける方があれば、ぜひご連絡を」と願った。

 

問い合わせは大石允耶さんのメール(nobuya@ainodesign.co.jp)へ。

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