残雪映える中央アルプスのパノラマ広がる棚田で、協力して田植えする関係者

中川村大草飯沼の棚田 中ア見守る中で田植え

2024/05/11 06:00
地域

中川村大草飯沼の棚田で10日、田植えが行われた。産官民で協力して棚田を管理する「飯沼の棚田地域振興協議会」の関係者ら約90人が参加。伊那食品工業(伊那市)のグループ会社で同村の米澤酒造が醸造する特別純米酒の原料となる酒米「美山錦」の苗を手植えなどした。

 

田植えのサインでもある雪形がはっきりと姿を示した中央アルプスの展望開ける棚田で作業。28枚約1・2ヘクタールを手分けして汗を流した。棚田保全の中心となるぱぱな農園(同市)などの伊那食品工業グループの社員や村、県職員らが、地元農家の手ほどきも受けて苗を植えた。

 

伊那食品工業新入社員の林舞衣さん(24)は「研究開発に携わっているので、このような貴重な体験は新たなアイデアに生かせるはず。収穫した米で作られた酒は親に贈りたい」と笑みをこぼした。

 

棚田の米を用いて年3回販売する特別純米酒「今錦おたまじゃくし」は、完売必至の人気商品だ。農林水産省の「つなぐ棚田遺産」に認定されるこの棚田はかつて地元有志が保全してきた。地主の一人、遠山文義さん(89)は「若い皆さんに水田を守っていただきありがたい。多くの人に飯沼の棚田の酒に親しんでもらえたら」と目を細めた。

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