箕輪町は今年度、「ゼロカーボン推進事業」として庁舎周辺の駐車場や施設に太陽光発電設備を設置し電力を自活・自家消費しつつ施設間で融通できる拠点として整備する。庁舎北側駐車場に太陽光発電設備を備えた屋根付き駐車場「ソーラーカーポート」を建設するなどし、周辺5施設の電力の約50%を賄う計画だ。公共施設が率先して脱炭素化に取り組み、ゼロカーボン推進につなげていく。
同町は2022年に「ゼロカーボンシティ」を目指す宣言を発表。50年までに二酸化炭素(CO2)排出量の実質ゼロ化を掲げる。
ソーラーカーポートのほか、役場庁舎の一部や周辺にある保健センター、文化センターの屋根に太陽光発電設備を設置。一帯の年間発電量は約43万キロワット時(一般家庭約78世帯分の年間電力消費量)を想定。年間約107トンのCO2削減が期待できるという。
発電設備を取り付けた施設を含め図書館や情報通信センターを送電線でつないで電力を融通する。庁舎北側駐車場には電気自動車(EV)の公用車から庁舎に電力供給を行う設備も置き、災害時に活用。駐車場の舗装や排水設備の改修も併せて行う。
事業費は9億4380万円の見込み。環境省の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金などを活用する。工事は日之出建工(同町)が請け負う。
太陽光発電設備の設置・管理は、電力事業などを手掛ける八十二Link
Nagano(長野市)らでつくる共同企業体「82Link箕輪町脱炭素プロジェクト」がPPA方式で受託。町は使用した分の電気料金を支払うが、事業者負担で工事を行い、初期費用の必要がない。契約期間は20年。供給開始は来年3月を予定している。
2日には起工式が現地で行われ、白鳥政徳町長は「電力を自分で作る、自分で使うことがCO2削減につながる気概を持って、この事業を続けていきたい」と話した。工事のため庁舎北側駐車場は8日から使用できない。
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