公立保育園の再編など新たな子育て環境整備に向け、諏訪市が小学校区単位で開いている対話集会(全7回)が折り返しを迎えた。これまで4回の参加者数は計68人。市議や地元区の代表者らを含めた数で、各会場で差はあるものの、保護者や若い世代は総じて少なめだ。子どもが多い中洲小校区で23日夕に開いた集会でもその姿はわずか。市議からは「この状況で合意が得られるとは思えない」と、若い世代の声を拾い上げるよう市に対する注文が出た。
急速に進展する少子化や保育ニーズの多様化、園舎の老朽化に対応し、保育所の適正規模と適正配置、民間活力の活用を目指す計画「ひろがる笑顔ゆめ保育所プラン」の一環。義務教育との学びの連続性や子どもの生活圏などを考慮し、将来的には公立13園を小学校区単位の6園に統合再編して子育て機能を集約する方針を示している。
集会は3月18日の上諏訪小校区を振り出しに、城南、四賀、中洲で開催。市こども課のまとめだと、参加人数は順に19人、11人、27人、11人となっている。小規模園がある学校区は集まり、大規模園がある学校区は参加が少ない傾向が見られる。
市は対話集会を含め各小学校区で「将来的に目指す公立保育園の姿」の合意形成に取り組み、具体化に向けた動きを加速させる考え。中洲、きみいち両園を対象園とした23日の集会で、女性市議の1人は「子育てで精いっぱいで将来まで考える余裕がない」と子育て世帯に理解を示しながら、「この状況で次段階に進んでいいものか」と疑問を投げ掛けた。
市役所で行う7回目以外はいずれも平日午後4時からの開催で、別の参加者は「子育て中の母親にとって忙しい時間帯」と指摘。市は「(四賀小校区など)参加者が集まった地区もあった。この先、夜の開催もあり、全体を見る中で今後どう進めていくかを考えたい」と答えた。
「大事な子育て環境。その象徴が保育園。この集まりは残念」「プランからこの先の絵が全く見えてこない。具体的にどうするのか。見える形で提案すれば意見が出ると思う」との声もあった。
市はLINE(ライン)を主にSNSでも開催を周知していると報告。全日程終了後に保育支援システム「コドモン」のアンケート配信機能を活用し、若い世代の意見を吸い上げることを検討していく考えを示した。
次回以降の対話集会の日程は次の通り(最終回は午後7時、他は午後4時から。かっこ内は対象公立園)。
▽26日=豊田小校区(豊田、文出 会場・豊田保育園)▽5月9日=湖南小校区(こなみ 会場・こなみ保育園)▽同16日=市内全域(会場・市役所)
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