伊那市の西春近南小学校で15日、同市で開発された木の笛「ユカイナ」作りが行われた。1年生15人と転校生の3年生1人が参加。ユカイナの開発・制作に取り組み、県内外の学校などで教室も開く「ユカイナ倶楽部」の加納義晴代表(74)と池上正秋さん(69)の手ほどきで完成させ、小鳥の鳴き声のような音色を楽しんだ。
ユカイナは地元産のクルミや桜などの木から作られる四角形の楽器。簡単に音が出て穴のふさぎ方が簡単なため、子どもでも演奏しやすいのが特長だ。
同倶楽部は地元でできた楽器に親しんでもらおうと、2022年度の同校創立150周年に合わせて校庭に植わる桜の木を材料にしたユカイナを全校児童と制作。昨年度からはユカイナを持っていない1年生を対象に教室を開いている。
児童らは校庭の桜の木で作られたユカイナにフェルトペンを使ってハートやお化けなどの絵を自由に描いた。その後、オリーブオイルを塗り、首に掛けるためのひもを付けてオリジナルのユカイナを仕上げた。完成後は加納代表に持ち方から曲の演奏方法までを教えてもらい、童謡「きらきら星」や「かえるの歌」に挑戦。集中して取り組み、演奏し終わると「できた」と喜びの声が上がった。
1年の児童(6)は「難しかったけどかえるの歌が演奏できて楽しかった」と話した。加納代表は「伊那で生まれた楽器なので多くの人に吹いてもらいたい。ユカイナの音が古里を思い出す音になれば」と期待していた。
児童らは6月下旬の音楽会でユカイナの演奏を披露する予定。
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