諏訪市中洲上金子出身で大学生芸妓の美代遥(本名・前橋亜季)さん(20)=東京都=が10日夜、初お座敷に臨んだ。中学生の時から芸妓を夢見ていた美代遥さんは、芸妓の所作や日本舞踊、三味線などの稽古に励み、今春晴れて諏訪大手見番協同組合(同市大手)の芸妓に。呼んでくれた客らの前で磨いてきた踊りを披露し、お座敷デビューを飾った。
前橋さんは、中学1年の時にドラマ「大奥」を見て着物の魅力に引かれ、舞妓になることを目指した。当初は中学卒業後に京都の置屋に入門するつもりだったが、「今は高校卒業から来る子が多い」と言われ、高校に入学。高校で好きになった哲学を勉強するため中央大学文学部に進学したが、芸妓になる夢は持ち続け、踊りや長唄三味線の稽古を続けてきた。
この日は午前中に大学の講義を受けた後帰郷し、身支度を整え、同市大手の日本料理屋「雫石」へ。客と対面すると最初は少し緊張した様子も見られたが、持ち前の明るさで客との会話も盛り上がった。踊りを要望されると、他の部屋の客や店員なども集まる中、自分のスマートフォンで三味線の音を流して、稽古を重ねてきた踊りをあでやかに披露した。
市内に住む客の男性(80)は「昔は正月や盆に無尽で芸妓さんを呼んだもの。久しぶりに芸妓さんの踊りを間近で見たけどいいもんだね」と笑みを見せ、「また芸妓さんが諏訪をにぎやかにしてくれたら」と期待していた。
美代遥さんは「すごいどきどきしたけど、皆さんいい方で、しかも真剣に踊りを見てくれてうれしかった」と胸をなでおろし、「人と話すのも踊りも好きなので芸妓は私の天職だと改めて感じた。『美代遥の踊りを見たい』と呼んでもらえるように、これからも稽古を頑張りたい」と明るく語った。
依頼の問い合わせは同組合(メールmaebashiaki@icloud.com)へ。
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