伊那市地域おこし協力隊の堤耀子さん(31)が30日、生ごみを分解して堆肥を作る「コンポスト」について学ぶ講座を同市の産学官連携拠点施設「inadani sees(いなだにしーず)」で開いた。市内を中心に15人が参加。県農ある暮らしアドバイザーの山村まゆさん=塩尻市=を講師に招き、講話やクイズ、交流を通して、生ごみを減らす意識を高めた。
二酸化炭素の削減の任務に取り組む堤さんが主宰し、環境に優しい暮らしを探求する「暮らしの循環実験室」の第2回として開いた。堤さんによると、市内の可燃ごみの約4割が生ごみで、全国平均とほぼ同じ。コンポストは臭いが強かったり虫が発生したりして使うのをやめてしまう人もいるため、扱い方のこつを知ってもらえたら-などと企画した。
講話で山村さんは、コンポストは日当たりや水はけのよい場所に置き、生ごみを入れたら必ず土を被せるよう勧めた。生ごみは新鮮なうちに細かく切って水切りすること、満杯になったら保温して放置することも紹介。参加者からは多くの質問が寄せられた。このほかコンポストで分解できる食材とできない食材を見分けるクイズや、参加者同士での情報交換も楽しんだ。
趣味で農業に取り組む清水道子さん=同市=は「長年コンポストを使っていたが、臭いや虫がすごい。木の根元に置いていたが、根を傷めることは初めて知った」。堤さんは「生活から切り離せない生ごみ。コンポストを使って生ごみを減らす選択をする人が増えれば」と期待していた。
同実験室では今後もごみ処理施設の見学ツアーなどを開いていく。
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