居間でくつろぐ足元から突然、虫が天井の明かりを目がけて飛び上がった。腰がくびれた姿形、せわしなく動く大きな触覚に「すわ、蜂か」と慌て、こわごわ近づいてみたらどうやらカメムシだった▼豆や野菜の新芽を食べ、リンゴや梨などの果汁を吸うから農業にとっては害虫だ。穂が出た頃の柔らかい米の汁を好む種もいて、ストローみたいな口を突き刺された跡は黒い斑点が残り、食味も落ちる。昨夏は南信で大量に発生して、リンゴや米の農家を泣かせた▼専門家によればカメムシは、冬を越した成虫が春に産卵する。近年は暖冬で生き延びる数が増え、発生の増加につながっているらしい。しかも春先の高温傾向で活動を始める時期が早まっているそうで、わが家に現れたことからもしかり。今季も被害の心配が募る▼カメムシは林の中で繁殖し、草やぶをたどって里へ、耕作地へと入り込む。だから虫害を防ぐためには畑の中だけでなくその周辺、さらに山際まで年に何度も草刈りが不可欠という。恥ずかしながらカメムシのその生態も、住民の不断の努力も理解していなかった▼自分の農地をどんなに念入りに手入れしても、隣地が草生え放題では作物を守れない。各地に広がる端正な農地風景は、農家が互い近隣に気を遣い、保全に協力し合う心と汗の表れと知れば頭が下がる。今年の作業が始まった。労に報いて作柄に恵まれますように。
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