駅には物語がある。旅立ちの場であり、見知らぬ地へと導いてくれるわくわく感を与えてくれる。時には別れの場でもあり、その別れは今生のものかもしれない▼地方の駅前がシャッター通りといわれて久しい。諏訪市のJR上諏訪駅前にあったまるみつ百貨店の閉店は衝撃的だった。それから14年。跡地に2019年に開所した交流テラスすわっチャオの入館者数が今月、100万人を達成した。にぎわいが戻りつつあると感じる▼市は上諏訪駅周辺の整備に向け、市民の声を聞くワークショップを開いている。1月の第1回では憩いの空間や人とまちをつなげる場に-などの意見が出された。後藤慎二副市長は「すべてが実現できるかは別の話」としながら「ワークショップの結果が数年後に上諏訪駅周辺に現れる」と約束した。どんな姿になるか楽しみである▼小さい頃、家族で海に出掛けた帰り。駅に着いて乗り込んだ電車は超満員。乗客の一人が「ここに小さな子どもがいる。押しつぶされてしまう」と叫んだ。乗客たちは私と妹を抱き上げると大玉送りのように座席まで運び、腰掛けていた人の間に座らせてくれたのである▼不思議なことに、楽しかったはずの海水浴のことは全く覚えていないのに、このことだけは記憶に残っている。それほど印象的だったのだろう。50年以上たつ今でも心がぽかぽかするこんな思い出づくりも、駅はしてくれる。
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