晩酌に飲む酒は寒中のこの季節、燗を付けた日本酒が欠かせない。体を芯から温めてくれる。昔、あればあるだけ酒を飲んでいた時期があり、空き瓶を片付ける際、我ながらたまった瓶の本数に驚き、健康的、経済的に「飲み過ぎかぁ」と酒量を抑えた記憶もある▼江戸時代には「寝酒」「内呑み」と呼ばれる晩酌が盛んだった。例えば、人口約100万人とされる1747(延享4)年の江戸の町には、500人に1軒の割合で量り売りをしてくれる酒屋があった。人々は辛口の酒に燗を付けて晩酌を楽しんでいたという▼食文化史研究家で「晩酌の誕生」(筑摩書房)の著者飯野亮一さんによると、つまみは海産物や野菜を使った料理が多く、金銭的に余裕があれば天ぷらやすし、うなぎの出前もあった。夜はコンニャクや里芋を煮込んだおでんの屋台があり、飯野さんは「コンビニがなくても、江戸っ子はおでんと熱燗の酒を持ち帰って気ままに晩酌を愉しむことができた」と記す▼昨年末、日本酒や焼酎などを生み出すこうじ菌を使った日本の「伝統的酒造り」が、国連機関ユネスコの無形文化遺産に登録された。500年以上の歴史を持つ醸造技術が世界に認められた。この機会に洗練された日本の酒の味の魅力を世界の人々に知ってもらいたい▼晩酌は一日の緊張をほぐし、気分転換になる。果たして今夜は適量を守ることができるだろうか?
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