認知症の母と二人で富士見町へ引っ越し、間もなく1年になる。母は1937(昭和12)年生まれで、2月には88歳。3年前の父の死後、症状が出始めた。今聞いた話の内容を覚えていられず、繰り返して同じことを聞く場面が多い。自分がどこにいるのかも不明瞭だ▼普段は穏やかに暮らしているものの、空腹や寒さ、孤独感をきっかけに不安になる。時には突然亡き両親を思い出し、実家へ帰ろうとする。現在暮らすアパートを出たまま帰れなくなり、保護されたことも多い。家族として食事の用意や会話など、できる限りの環境を整えようと意識はするが、不安解消には至らない▼母は若い頃から働き者だった。その性分は今も健在で、昨年は秋まで毎日、庭の草むしりを続けた。真夏にはその姿を見た通りすがりの人が心配して飲み物を与えてくれ、近所の人々が気に掛けてくれるようにもなった▼介助の難しさを感じた昨年、富士見町と町社会福祉協議会に相談し、デイサービスのお世話になれた。福祉施策に助けられた瞬間だった。母はデイを「学校」と呼んで通所を心待ちにする▼母はそれぞれの場面で人に迷惑を掛けているに違いない。それでも献身的に接してくださる行政や社協、警察、町の皆さんに感謝するばかりだ。一緒に富士山を眺めに行った今年の元日。「正月に富士が見られて幸せ」と喜ぶ母に安堵し、その姿を写真に収めた。
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