2024年12月24日付

2024/12/24 07:59
八面観

早いもので、あっという間にクリスマスシーズン。街中で輝くイルミネーションが雰囲気を一層引き立てる。年末もすぐそこまで迫ってきた。慌ただしさに忙殺され、時間がたつのを早く感じる12月。「師走」とはうまく言ったものである▼これからの時期はクリスマスをはじめイベントが盛りだくさん。学校は終業式を迎え、年末年始の休暇に入る。クリスマスプレゼントにお年玉…。子どもたちはワクワクした気持ちでいるだろう。親の立場だと「家の手伝いや部屋の掃除くらいしてほしい」と小言を言いたくなるものだが▼一方で大人はというと、「忙しい」という言葉を頻繁に口にする。何かとやることが増え、1年の中で最もバタバタする。心理的な要因もあるとか。世間の雰囲気に合わせて、知らぬ間に「忙しい」と思い込んでいる場合もあるらしい。いずれにしても、時間は有効に使いたい▼俳人の正岡子規が詠んだ「いそがしく 時計の動く 師走哉」。時間の長さはいつもと変わらないはずなのに、時計までもがいつもより忙しく時を刻む年の瀬の様子を表している。内容は端的で簡素だが、日本の年末の風物詩と言える師走の独特な時間の流れを際立たせる句である▼今年もあと1週間余り。先のことばかり考えると、文字通り、心を亡くしてしまう。きょうはクリスマスイブ。日本では定番の洋菓子を食べて、ひと息つくのもいいだろう。

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