2024年12月13日付

2024/12/13 08:00
八面観

宮田村の村長が12日、辞意を表明した。村職員に対するパワーハラスメントや公選法違反に対する自身への指摘を理由に挙げた▼「辞めろ」と言われた、書類を投げつけられた―などの職員の声があったほか、2022年参院選公示前に、特定の候補予定者のリーフレットを庁内会議で配布するなどした。村長は「信頼なくば組織は動かず。自身の信条に反した」と述べた▼兵庫県をはじめ、同県明石市や岐阜県岐南町、池田町など、首長がハラスメントを疑われて職を辞するケースが相次いでいる。「ねぎらいや褒める意味合いだった」「成長してほしかった」―。職責への熱意や職員への思いもあるのだろうが、言動については客観性や公正性が前提になるも、「受け手がどう感じたか」が重視されるのだろう▼職場のハラスメント防止には研修や第三者通報窓口の設置などが求められるが、兵庫県庁では結果的に通報者が守られなかった。通報者が特定されやすい小規模自治体では、県や広域でも窓口対応するなど秘密が守られる工夫が必要との主張もある▼官民にかかわらず、人権意識の向上や職場環境への意識の変化が求められる中、決して対岸の火事ではない。ただ自治体の首長の場合は、選挙の多選や無投票、議会との関係性が緊張感を緩ませるとの見方もある。行財政の手腕だけでなく、職場の運営についても議会や住民の厳しい目が注がれる。

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