先日、80代後半になる母親を伊那市の総合病院に連れて行った帰り、近くのコンビニに立ち寄った時のこと。病院に近い高校の生徒だろうか。母は商品を買い物籠に入れてそそくさとレジに向かおうとした▼コロナ禍以降、多くの店にレジを待つ人たちに間隔を空けてもらうための線が引かれているが、その線も目に入らない様子の母を制しようとしたところ、順番を待っていた女子高生と思われる制服姿の2人組が「どうぞ」と譲ってくれた。にこやかに、気持ちよく▼最近は自己中心的な行動が目に付くように感じてならない。人を押しのけるようにして前に出ようとしたり、擦れ違う際に肩と肩がぶつかりそうでも脇に寄らずにずんずん進んできたり。何をそんなにせいているのだろう、自分がよけると負けた気がするのだろうかと思ってしまう▼そんな中、前述した2人のように接してもらうと心が和む。表現は適切でないかもしれないが、今どきの軽っぽく見える若い男性が建物に入ろうとして開けた扉を、続いて入ろうとしていたら閉まらないように押さえてくれていたことも何回かある。いいなと思う▼ちょっとした譲り合いや思いやりではないだろうか。心の余裕と言ってもいいかもしれない。自身も大いに見習おうと自戒する。一人でも多くの人がほんの少し周りに気を配るようになれば、互いがもっと暮らしやすくなるのにと考える日々だ。
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