諏訪市四賀の仏法紹隆寺(岩﨑宥全住職)の寺宝「北斗曼荼羅」(1710年開眼)の修復作業が完了した。7月7日、曼荼羅を本尊に「星供祈とう」を行って一般公開する。「星供祈とう」は高島藩主のために行って以来、100年余を経ての復活。修復と並行して行った研究者の調査では、北斗七星を表わす妙見菩薩を描いてあることや正体不明の一尊を加えた仏の配列など他に類例の少ない独自性があることも分かった。その報告講演会も同日行う。
同月5日の納品を前に6月27日、同寺で記者会見を開き、岩﨑住職が作業の完成を報告。調査にあたった清泉女子大非常勤講師の門屋温さんがその成果を発表した。
「北斗曼荼羅」は、中国を起源に息災・延命を祈る北斗信仰を絵図で表わした日本独自の仏画。北斗七星や十二宮(星座)などを仏として描いてある。同寺のものはふすま1枚ほどの大きさで、絵師・法橋隆栄の作。元は京都吉祥院宮海中寺が所有したと箱書きにある。
約1年がかりの修復を手掛けた泰清堂(水戸市)によると、「汚れがかなりひどかったが外周の雲柄まで見えるようになり、全体に明るくなった」といい、切れてずれが生じていた図像も復元して細密な筆遣いが見やすく、中宮の背景を彩る群青色も際立った。使われた紙は当時一般的な竹製と分かった。
門屋さんは、他の北斗曼荼羅には見られない妙見菩薩の図像や全体の構図は京都・醍醐寺のそれと近しいが、配列には相違点も多く「北斗曼荼羅のスタンダードである形式と異なり、私が見た中ではかなり珍しい構成」と説明。半蔵門ミュージアム(東京都)に収蔵の「両界曼荼羅」作者と同一であることも確認した。
また、修復で妙見菩薩を表わす左手上の北斗七星(一部欠損)が明確に見え、希少性の確証も得られたという。今後は「吉祥院とのつながりを深掘りできたら」としている。
岩﨑住職は「想像以上に重要で、美術的な価値も高い。手描きの北斗曼荼羅は諏訪地方でおそらく唯一、県内でも少ない。一流のものをそろえた藩主の信仰心と祈りの重みを感じる」と話していた。
7日は午後4時から門屋さんの講演会、同5時30分から北斗曼荼羅鑑賞、同7時から星供大祈とう。曼荼羅の星座を描いた特製の散華もまく。問い合わせは同寺(電話0266・52・2241)へ。
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