岡谷市の岡谷蚕糸博物館は、学習に使う春蚕の配布を今年度も始めた。4日は同市の長地小学校に170頭が届けられ、3年1組の児童26人が蚕の生態や飼育について学習。ふ化から9日目を迎えた小さな幼虫に見入り、大切に育てたいと意気込んだ。
蚕の飼育を通して命の尊さや蚕糸業の歴史を学んでもらおうと、春蚕、秋蚕がふ化する時期に合わせて行う事業。今年の春蚕は、希望のあった市内外24小学校、市内8保育園に計8000頭を順次配布する。
長地小では、1人5頭ずつ飼育する。春蚕は2回目の脱皮を終えた3齢の段階で、体長1センチほど。蚕を目にした児童は「小さくてかわいい」と大喜び。同館学芸員の森田聡美さんから、桑の葉を1日に3回与える飼育方法や成長過程について説明を受けた。病気に弱いため、汚れた手で触ったり水にぬらしたりしないようにする約束も交わした。
同校中庭に植わる桑の木から葉を摘み取った児童(8)は「蚕が長生きするようにしっかり世話をしたい」と話していた。同館によると、今月末に繭になるという。
春蚕は一般希望者にも配布する。問い合わせは同館(電話0266・23・3489)へ。
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