茅野市のちの観光まちづくり推進機構(DMO)は1、2の両日、市尖石縄文考古館の協力で「縄文」をテーマにした初のモニターツアー「八ケ岳縄文トリップ」を同館周辺で行った。地元や県内外から縄文に思い入れのある11人が参加。ガイドの案内で縄文サバイバルトレッキングや食事作り、竪穴式住居でのたき火座談会、縄文工作など多彩なプログラムを盛り込んだ1泊2日の旅を満喫した。
ちのDMOでは、旅を通じて訪れる人と地元住民をつなぎ、土地の暮らしを感じるプログラムを展開している。縄文をテーマにするのは初めてで、「縄文を生かしたまちづくり」を模索する市との思いが一致した。同館の小池岳史館長や学芸員、自然や縄文に詳しい地域の専門家たちがガイドを務めた。
初日は、竪穴式住居が建つ与助尾根遺跡に集まり、ガイドの解説などを通じて縄文時代へといざなった。小池館長は「一帯の尖石石器時代遺跡は特別史跡に指定され、縄文時代を語る上で絶対外せない国宝級の価値がある。茅野の縄文は2体の国宝土偶だけではない」とし、施設の歴史や概要を説明。また、ガイドの案内で、知る人は少ない敷地内の水源を訪れたり、飲用するための浄水器や煮沸に関する話を聞いたりした。
食事作りのたき木拾いの後は火おこしに挑戦。木やひもで作った道具「弓切り」「まい切り」、金属性の「ファイヤースターター」を使い、悪戦苦闘しながらも成功すると、拍手が沸き「これで生き残れる」と喜び合った。
夕食は鹿肉やジャガイモなどの石焼き、イノシシ肉と山菜のスープ、ドングリ寒天など作って味わった。2日目は黒曜石で石器作りを体験。昼食は鉄平石で焼く鹿肉ステーキも登場した。
参加者は「チャレンジすることで生きる力がついた」「憧れの竪穴住居に出会えて興奮して寝付けなかった」「土器を作る体験は貴重」「食事もおいしかった」などと感想を話した。
小池館長は「保全と活用のバランスを考えつつ、出来る限り協力し、縄文を発信していきたい」と話していた。
ツアーは夏頃、商品化する計画だという。
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