史跡公園になっている与助尾根遺跡で火おこし体験に夢中の参加者。体験を通じ縄文時代に思いをはせた

「縄文」の旅満喫 ちのDMOモニターツアー

2024/06/03 06:00
経済

茅野市のちの観光まちづくり推進機構(DMO)は1、2の両日、市尖石縄文考古館の協力で「縄文」をテーマにした初のモニターツアー「八ケ岳縄文トリップ」を同館周辺で行った。地元や県内外から縄文に思い入れのある11人が参加。ガイドの案内で縄文サバイバルトレッキングや食事作り、竪穴式住居でのたき火座談会、縄文工作など多彩なプログラムを盛り込んだ1泊2日の旅を満喫した。

 

ちのDMOでは、旅を通じて訪れる人と地元住民をつなぎ、土地の暮らしを感じるプログラムを展開している。縄文をテーマにするのは初めてで、「縄文を生かしたまちづくり」を模索する市との思いが一致した。同館の小池岳史館長や学芸員、自然や縄文に詳しい地域の専門家たちがガイドを務めた。

 

初日は、竪穴式住居が建つ与助尾根遺跡に集まり、ガイドの解説などを通じて縄文時代へといざなった。小池館長は「一帯の尖石石器時代遺跡は特別史跡に指定され、縄文時代を語る上で絶対外せない国宝級の価値がある。茅野の縄文は2体の国宝土偶だけではない」とし、施設の歴史や概要を説明。また、ガイドの案内で、知る人は少ない敷地内の水源を訪れたり、飲用するための浄水器や煮沸に関する話を聞いたりした。

 

食事作りのたき木拾いの後は火おこしに挑戦。木やひもで作った道具「弓切り」「まい切り」、金属性の「ファイヤースターター」を使い、悪戦苦闘しながらも成功すると、拍手が沸き「これで生き残れる」と喜び合った。

 

夕食は鹿肉やジャガイモなどの石焼き、イノシシ肉と山菜のスープ、ドングリ寒天など作って味わった。2日目は黒曜石で石器作りを体験。昼食は鉄平石で焼く鹿肉ステーキも登場した。

 

参加者は「チャレンジすることで生きる力がついた」「憧れの竪穴住居に出会えて興奮して寝付けなかった」「土器を作る体験は貴重」「食事もおいしかった」などと感想を話した。

 

小池館長は「保全と活用のバランスを考えつつ、出来る限り協力し、縄文を発信していきたい」と話していた。

 

ツアーは夏頃、商品化する計画だという。

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