伊那ケーブルテレビジョン(伊那市)は今夏、伊那市と箕輪町、南箕輪村(一部地域除く)を放送エリアとするコミュニティFM「伊那谷FM」を開局する。周波数は86.7メガヘツツ。23日、総務省信越総合通信局(長野市)で予備免許の交付式があり、同局の藤田和重局長から同社の向山賢悟社長に予備免許通知書が手渡された。向山社長は「さらに充実したきめ細かい情報を提供し、地域メディアの役割を果たしていきたい」と抱負を語った。
地域に根差したケーブルテレビ局として設立40年を迎える同社。コミュニティFMの開局は新規事業で、有線のテレビに無線のラジオを加えることで加入者以外の地域住民や観光客にも情報を届けることが可能になる。新たなコミュニケーションツールを通じて、さらなる地域貢献に取り組む考えだ。
「伊那谷FM」は、地域の話題や行政、観光、娯楽情報などを盛り込んだ自主制作番組を放送するほか、災害などの緊急時にはAI(人工知能)アナウンサーによる緊急割り込み放送を行う。スマートフォンアプリでのサイマル放送も予定している。
開局に向けては今年1月に申請書を提出。予備免許の交付で電波を出すことが可能になり、今後はアンテナを設置したり、放送機器を整備したりしながら、電波障害の調査を進める。問題がなければ正式に免許が交付され、開局の運びとなる。開局日やロゴマークは決まり次第、改めて発表する予定だ。
信越総合通信局によると、放送区域内の世帯数は2万3483世帯。県内のコミュニティFMとしては10局目になるという。
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