辰野町でナポリピザの店を開業する井上さん

辰野町移住の井上さん ピザ店開業へ

2024/05/23 06:00
経済

辰野町の野菜の良さを多くの人に伝えたい-。国内ピザ大会で3位になったことがあるピザ職人で、今年3月に同町に移住した井上恵一さん(36)が、地元野菜を使ったピザを提供する店「ピッツェリア・メリオ」を開業する。地元食材にこだわり、本格的なまき窯で焼き上げるナポリピザの店。同町で開催される「辰野ほたる祭り」の期間中(6月8~16日)にプレオープンし、7月1日にグランドオープンを迎える。

 

■国内大会3位の技能を生かして

 

井上さんは福岡県久留米市出身。東京の服部栄養専門学校で料理を学んだ後、2年ほど都内の和牛料理店に勤務。その後、ピザの名店でピザ職人として歩み出し、日本人のピザ職人世界チャンピオンから指導も受けた。2018年のナポリピッツァ職人選手権「チンクエチェントカップ」では3位に輝いている。

 

2年ほど前、一度飲食業を離れたが、離れている間に食材に目が向くようになったという井上さん。妻の実家がある辰野町のおいしい野菜や果物に触れ、素晴らしい地元野菜を多くの人に知ってもらいたいとの思いが募り、再び飲食業に復帰。自身の技能を生かしたピザ店を開業することにしたという。

 

■本場イタリアの窯で焼き上げる

 

店は自身も役員を務めるトビチカンパニーの飲食部門として旧伊那バス営業所の建物内にオープン。広さ約16.5平方メートルで、大工の手を借りて自らリノベーションした。店内はカウンター4席、解放感あふれる屋上にはテラス席も設ける。店名の「メリオ」は「より良く」を意味するイタリア語で、「まちだけでなく生産者や消費者らすべてが幸せになってほしい」との願いを込めたという。

 

提供するピザは、イタリア産の小麦粉と塩を使用したシンプルな薄生地で、本場イタリアから取り寄せたピザ窯で外はカリカリ、中はもっちりしたピザに焼き上げる。生地以外の食材は直接農家から仕入れる地元の野菜や果物を使用するという。

 

営業は午前11時30分~午後9時(午後3時~5時は休憩)。店内で食べられるほかテークアウトにも対応。通常営業はピザのみの提供だが、団体予約の場合は前菜やパスタ、肉料理などコース料理にも対応するという。

 

井上さんは「普段の家庭料理で使われる身近な野菜を使用したリーズナブルなピザを提供したい」とし、「辰野の野菜の良さを広く発信し、ファストフードに慣れた野菜嫌いの子どもたちにもピザを通して野菜好きになってもらえたら」と話している。

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