県警は8日、大型連休中(4月27日~5月6日)に県内で発生した山岳遭難状況をまとめた。発生件数は前年比8件増の26件、遭難者は同比9人増の30人で、ともに過去10年間で最多となった。県警山岳安全対策課によると、特に天候が安定した連休後半の4、5日は2日間で計13件と多発した。
事故の内訳は転倒9件、滑落7件、道迷い3件、疲労2件、その他5件。北アルプスでの残雪による転倒、滑落が多く、4月30日には北穂高岳から北穂高沢を下山中だった県外の50代女性が滑落して死亡した。里山での山菜採り中の遭難や装備、経験の不足などで行動不能になる事案もあった。
山域別でみると、北アルプスが17件で半数以上を占め、八ケ岳連峰4件、中央アルプス1件など。遭難者は40~50代と60代以上が7割以上を占め、25人が関東圏などからの県外者だった。県警ヘリは11件に出動し、12人を救助、収容した。
同課は「残雪のある北アルプスなどではルート状況の事前確認や必要に応じてアイゼン、ピッケルなどの装備品の携行も強く呼び掛ける。これから本格化する山菜採り中の遭難防止も強化していく」としている。
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