出発式でテープカットを行い林道バスの運行開始を祝う関係者たち

南アルプスクイーンライン 今季の運行開始

2024/04/27 06:00
社会

南アルプスに登山シーズンの到来を告げる伊那市営林道バス「南アルプス クイーンライン」が、今季の運行を開始した。同市長谷戸台口と歌宿を結ぶ約16キロを6月14日まで、除雪後には登山口の北沢峠に至る約23キロを11月15日まで走る。運行開始を祝う出発式が26日、仙流荘前の「戸台パーク」であり、市関係者が登山者の安全と山岳高原観光ルートの活性化を願った。

 

南ア北部の仙丈ケ岳(標高3033メートル)や東駒ケ岳(2967メートル)を目指す登山者らが利用する林道バス。昨年は、2003年の6万2756人に次ぐ過去2番目の6万298人が利用した。山梨県側の林道で土砂崩落があった影響もあり、伊那市側からの入山が増えているという。

 

バスは28人乗りで、優美な山容と高山植物の美しさから「女王」の異名を持つ仙丈ケ岳にちなみ、新たに「クイーンライン」と命名した。基本的には平日に4便、土日に5便を運行し、南アの雄大な自然に乗客を誘う。

 

出発式で、白鳥孝市長は「今年もたくさんの登山客、観光客の皆さんが訪れると思う。ジオパークや登山に関する情報を提供し、皆さんをお迎えしたい」と語り、安全運行を指示した。ヤマトイワナ釣りに毎年訪れる滋賀県大津市の田中巧さん(67)は「山に登れて釣りもできるのがいいですね」と話していた。

 

仙流荘周辺は「南アルプス長谷 戸台パーク」として”南アの登山基地化”が進む。市は今月、仙流荘のビジターセンター機能を充実し、分杭峠と結ぶ新たなバス路線も開通した。さらにロータリーを整備するほか、現行400台の駐車場を700台規模に拡張する。今年度中の完成を目指し、秋以降に工事を本格化する方針だ。

 

片道運賃は戸台パーク―歌宿が850円、戸台パーク―北沢峠が1150円。手荷物料金(220円)が別途必要。駐車料金は5日以内が1000円。

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