飯島町は今年度から、農薬や化学肥料を減らして生産する町内産特別栽培米コシヒカリ「越百黄金」5キロを新生児の誕生祝い品として贈る事業を始めた。役場窓口で出生手続きをした家族に、米を取り扱う町内の道の駅などで使える引換券を手渡す。「信州の環境にやさしい農産物」の認証を受ける安全安心な地元ブランド米を身近に感じてもらい、食育や農業振興の推進につなげる。
2016年から生産される越百黄金は当初から、町内3小中学校の給食でも提供。23年産は町内29の農家が3365アールで栽培し、収量は16万8241キロに達した。
町は今回、誕生祝い品として贈ることで、地元の豊かな自然と農家の愛情に育まれたブランド米をPRし、さらなる消費拡大につなげようと考えている。
長女の彩市ちゃんの出生届を提出し、引換券を受け取った下平泰司さん・あづささん夫妻=岩間=は、「少し驚いたが、さまざまな子育て支援がある中で町内産の米で育ってほしいという願いが伝わる素晴らしい事業」と笑顔。「飯島町で生まれた子なんだなって実感しますね。子どもが離乳食を取れるようになったら一緒に食べ続けたい」と話した。
同町の昨年度の出生者数は35人。減少傾向が続く中で今回の事業では40人分の予算を盛っており、関係者は「地元の米で子どもたちがすくすくと育ってほしい」と願いを込める。
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