進学を控える外国ルーツの子やその親をサポートしようと、上伊那地域で外国人を言葉の面から支援する「多文化LIFE(らいふ)」は、学校の宿題や書類の記入を手伝う「はるやすみ PROJECT(プロジェクト)」を箕輪町内で開いている。日本語が分からず、進学のための書類の記入に困る親からの相談が多いことから初めて企画した。28日は日系ブラジル人の小中学生やその保護者4人が参加し、新学期に備えた。
多文化LIFEは昨年発足。町主催の日本語教室をサポートしている。外国人が多く暮らす同町で多文化共生推進員として活動している入倉眞佐子さん(65)=南箕輪村=が代表を務める。
入倉さんによると、町内の中学校では進学用書類に外国語訳が付いているが、上伊那の高校によっては日本語だけの場合がある。このため、未記入のまま提出したり、自ら通訳を雇って書いてもらったりしている家庭があるほか、日本では進学と同時に制服代や修学旅行費用の積み立てなどまとまったお金が必要だが、知らない家庭も多く、トラブルになりやすいという。
23日に続き2回目の開催となったこの日は、ポルトガル語や英語を話せる通訳らが協力。子どもに日本語の日常会話や算数の分数を教えたり、保護者には書類の読み方や記入を手助けしたりした。
南米パラグアイ出身で昨年7月に来日した新中学3年の生徒(14)は「学校には慣れたけど日本語がしゃべれなくて難しい。高校受験の面接が心配」と話した。入倉さんは「支援が行き届いておらず高校に入ってから問題になりやすい。(書類には)今後3年間の大事な情報が詰まっているので、こういった機会は大事」と適切な支援の必要性を強調した。
30日に同センター、4月6日に同町の木下公民館でも開く。午前9~11時。無料。6日はSOSネット相談会を同時開催し、正午から子ども食堂も行う。問い合わせは多文化LIFE(メールtabunkalife@gmail.com)へ。
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